宅地建物取引業(宅建業)を営もうとする者は、宅地建物取引業法の規定により、知事または国土交通大臣の免許を受けることが必要です。

宅建業とは、不特定多数の人を相手方として宅地又は建物を自ら売買又は交換すること、および宅地又は建物について他人が売買、交換又は貸借するにつき、その代理若しくは媒介することを業として行うことをいいます。
つまり、自己所有の宅地建物を貸借する以外の不動産取引を業として行う場合は宅建業に該当し、免許が必要です。

自己所有地を不特定多数の者に分譲することは、宅地建物取引業者が仲介するしないにかかわらず、宅建業となりますし、不動産業であっても、自己所有物件の不動産賃貸・管理業(不動産賃貸業、貸家業、貸間業、不動産管理業など)は宅建業には該当しません。

免許の種類は2種類あり、1つの都道府県のみに事務所を設置する場合は都道府県知事免許、2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣免許が必要です。

MEMO

2023年3月末現在の統計によると、全国の宅建業者の業者数は、129,604業者で、大臣許可が2,922業者、知事許可が126,682業者です。
また、許可業者の内訳は、法人が116,230業者、個人が13,374業者です。

(ご参考)建設業者と宅建業の兼業について

建設業者が宅建業免許を持っていたら、自社で土地を購入して住宅の新築工事をして、その住宅を売買することが可能になります。また、古民家を安く購入し、自社でリノベーション工事や内装工事をして売買することもできます。つまり、不動産売買の業務を内製化することにより、収益上のメリットを享受できるとともに、自社の施工能力を活かした新規事業の展開が可能になります。

建設業者が宅建業を兼業するとなると、専任の宅建士資格者の雇用や事務所適格性の確保など新たな条件も加わりますが、期待できるベネフィットの部分も大きいので、一つの事業展開の選択肢として検討してみても良いのではないでしょうか。

要件その1 欠格要件に該当しないこと

申請者(代表者)、役員、政令使用人(事務所の代表者で契約締結権限を有する者。支店長、営業所長等)が、下記の欠格要件に該当しないことが要件の一つです。

  • 申請前5年以内に次のいずれかに該当した場合
    ①免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為、又は業務停止処分違反をして免許を取り消された場合
    ②前記のいずれかの事由に該当するとして、免許取消処分の聴聞の公示をされた後、相当の理由なく廃業等の届出を行った場合
    禁錮以上の刑に処せられた場合
    ④宅建業法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法(傷害罪等粗暴犯)の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられた場合
    ⑤暴力団員等
    ⑥免許申請前5年以内に宅地建物取引業に関して不正または著しく不当な行為をした場合
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない場合
  • 宅地建物取引業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな場合
  • 精神の機能の障害により宅地建物取引業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない場合

要件その2 独立して業務を行える事務所があること

事務所の範囲は次の①②のいずれかです。
① 本店または支店として商業登記されたもの
② ①のほか、継続的に業務を行うことができる施設を有し、かつ、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人が置かれている場所

事務所に関する留意点として以下のようなポイントがあります。
・本店で宅建業を行わなくても、支店で宅建業を行っていれば、本店も「事務所」となります。この場合、本店には営業保証金の供託および専任の宅地建物取引士の設置が必要です。

・支店は、会社法により商業登記しなければならないので、従たる事務所の名称を「○○支店」として免許申請する場合は、商業登記を必ず行う必要があります。商業登記を行わない場合は、その他の名称(○○営業所、○○店等)を用いて申請すること。

・物理的にも社会通念上も独立した業務を行いうる機能をもつ事務所として認識できる程度の形態を備えていることが必要です。
 ① テント張りやホテルの一室などは認められません。
 ② 1つの部屋を他の者と共同で使用する場合も原則として認められません。但し、一定の高さ(170cm以上)のある固定式のパーテーションなどにより仕切られ、他の事務所などの一部を通らずに、該当事務所に直接出入りができるときは、独立性が保たれていると認められる場合があります。
 ③ 区分所有建物などの一室を自宅と事務所として利用する場合も原則として認められません。但し、その区分所有建物の管理規約上、事務所としての使用が認められており、かつ、住居部分と区別され独立性が保たれている場合は、事務所として認められる場合があります。

申請時に、事務所の写真を多数提出して、上記条件を満たしていることを示します。

要件その3 専任の宅地建物取引士(宅建士)を置くこと

宅建業者は、事務所に、業務に従事する者5人に1人以上の数の専任の宅建士を置かなければなりません。

専任の宅地建物取引士は、「常勤性」「専従性」の二つの要件を充たさなければなりません。

常勤性とは、宅建士が事務所に常時勤務することをいいます。常時勤務とは、宅建士と宅建業者との間に雇用契約等の継続的な関係があり、当該事務所等の業務(営業)時間に当該事務所等の業務に従事することを要します。社会通念上通勤可能な距離を越えている場合や別企業の従業員や公務員である場合は常勤性を認められません。

専任性に関し、宅建士は、専ら当該事務所等の宅地建物取引業に従事することが必要です。宅建士が宅建業のみならず、他の業務も併せて従事する場合、当該宅建士が専ら宅建業務に従事することができる状態かを実質的に判断されます。

要件その4 営業保証金の供託または保証協会の加入

これは、宅建業免許を取得後に営業を開始するための条件になります。

万一、取引で消費者に損害を与えた場合、その被害を最小限に抑えるため、宅建業法は、営業保証金制度と弁済業務保証金制度の二つの制度を設けています。営業を開始するには、この手続きを済ませる必要があります。
免許の日から3か月以内に、①営業保証金を供託所に供託するか、②宅地建物取引業保証協会の社員になり弁済業務保証金分担金を納付する必要があり、①か②のいずれかを実施したことを都道府県に届け出て初めて宅建業の営業を行うことができます。

①供託所への供託の場合は、主たる事務所(本店)の所在地を管轄する供託所へ法定の営業保証金(主たる事務所(本店)は1,000万円、従たる事務所(支店)は 500万円(1店舗あたり))を供託します。

②について、弁済業務保証金分担金(主たる事務所(本店)は60万円、従たる事務所(支店)は30万円(1店舗あたり))を納付し保証協会の社員になった者は、①の営業保証金の供託は免除されます。なお、国交大臣の指定を受けた保証協会には、公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会と公益社団法人 不動産保証協会の2団体があり、社員になるには、分担金の他、入会金等諸経費が必要になることにご注意ください。

宅建業の免許の有効期間は5年間です。
有効期間は、免許日の翌日から起算して5年後の免許応答日までです。
このとき、有効期間の最終日(免許満了日)が日曜・祝日などであるかどうかにかかわらず、満了日をもって免許は失効し、満了日の翌日からは宅建業を営むことができなくなります。
有効期間満了後も引き続いて宅建業を営む場合には、免許の有効期間満了日の90日前から30日前までに、免許の更新申請をする必要があります。

免許更新申請の際には、新規申請と同レベルの申請書類が必要です。

まずはお問合せを

・宅建業免許を取りたいんだけど、自分は要件を満たすかな?
・自分で調べた限りでは免許取得は無理そうだけど、やっぱり無理かな?
・免許を取るにはどのくらいの費用が掛かるのかな?

行政書士すぎやん事務所では初回お問合せ(30分)を無償で対応しています。

お客様のご事情をお伺いして、免許を取るための要件に合致しているかという点を確認いたします。宅建業免許の取得ができそうな場合、報酬の見積もりと今後の進め方のご提案をさせて頂きますので、ご検討いただきますようお願いします。

ご提案にご納得いただいたことのご連絡を頂くことで、お客様とすぎやん事務所の間の宅建業免許取得サポートの委任契約の正式成立になります。

費用の目安

宅建業免許取得サポートの費用の目安は次の通りです。

説明行政書士
標準報酬(税別)
行政手数料等備考
新規・知事免許100,000円~33,000円保証協会入会手続きは含みません
新規・大臣免許140,000円~90,000円保証協会入会手続きは含みません
更新・知事免許70,000円~33,000円
更新・大臣免許100,000円~33,000円
保証協会入会手続き100,000円~
各種変更届100,000円~
記載金額は税別表示です。
「行政手数料等」は参考金額です。

もちろん、上記の表に無い申請、届についてもサポート対応しますので、お気軽にお問合せください。

お問合せ先

お電話またはメールフォームでお気軽にお問合せください。
お客様との良いご縁を心からお待ち申し上げます。

すぎやん事務所へお気軽にお問合せください。06-6711-0778受付時間 9:30-17:00 [ 土日・祝日除く ]

お問合せ 初回お問合せ(30分)無料

ご注意

このページの掲載内容は、2024年1月時点での情報に基づいています。宅建業法とその関連規則等は頻繁に改正されますし、管轄行政庁によって運用が異なる場合も多々ありますので、最終的な事業判断の際は管轄行政庁の公式発信情報をご確認くださいますようお願い致します。